cAMPとは(基本定義)
cAMP(cyclic adenosine monophosphate:サイクリックAMP) は、
体内の細胞で使われる セカンドメッセンジャー(第二の伝達物質) の一種です。
セカンドメッセンジャーとは?
ホルモンや神経伝達物質などの細胞外からの信号を、
細胞内で実際の反応に変換する“中継役” のことです。
cAMPの生成と分解
| 段階 |
関与酵素 |
反応内容 |
| 生成 |
アデニル酸シクラーゼ(Adenylate Cyclase) |
ATP → cAMP |
| 分解 |
ホスホジエステラーゼ(PDE)(主にPDE3, PDE4など) |
cAMP → AMP |
cAMPが働く流れ(シグナル伝達)
- ホルモンや神経伝達物質(例:アドレナリン、グルカゴン)が細胞膜上の受容体に結合
- 受容体が Gタンパク質(Gs) を活性化
- Gsがアデニル酸シクラーゼを刺激
- アデニル酸シクラーゼが ATP → cAMP に変換
- cAMPが PKA(プロテインキナーゼA) を活性化
- PKAが細胞内のタンパク質をリン酸化 → 様々な生理反応を起こす
主な生理作用
| 臓器・組織 |
cAMPの主な作用 |
関与するホルモン |
| 心臓 |
心拍数・収縮力の増加 |
アドレナリン、ノルアドレナリン |
| 肝臓 |
グリコーゲン分解(血糖上昇) |
グルカゴン |
| 脂肪細胞 |
脂肪分解促進 |
アドレナリン |
| 気道平滑筋 |
弛緩(気管拡張) |
β₂刺激薬(例:サルブタモール) |
| 免疫細胞 |
炎症反応の抑制 |
cAMP増加薬で抗炎症効果あり |
PDE阻害薬との関係
- PDE(ホスホジエステラーゼ)は、cAMPやcGMPを分解して作用を止める酵素です。
- PDE3阻害薬(例:ミルリノン、シロスタゾール)は、cAMPを増加させて以下の作用を発揮します。
| 薬剤 |
主な作用 |
用途 |
| ミルリノン |
心収縮力増強・血管拡張 |
心不全治療 |
| シロスタゾール |
血小板凝集抑制・末梢血管拡張 |
間欠性跛行、脳梗塞予防 |
cAMPとcGMPの比較表
| 比較項目 |
cAMP |
cGMP |
| 元となる物質 |
ATP |
GTP |
| 生成酵素 |
アデニル酸シクラーゼ |
グアニル酸シクラーゼ |
| 主な分解酵素 |
PDE3, PDE4など |
PDE5など |
| 主な作用部位 |
心臓・肝臓・気道など |
血管平滑筋・網膜など |
| 主な効果 |
心拍増加・代謝促進 |
血管拡張・勃起維持 |
| 主な活性化酵素 |
PKA(プロテインキナーゼA) |
PKG(プロテインキナーゼG) |
まとめ
| 要素 |
内容 |
| 名称 |
cAMP(サイクリックアデノシン一リン酸) |
| 種類 |
セカンドメッセンジャー |
| 生成酵素 |
アデニル酸シクラーゼ |
| 分解酵素 |
PDE(主にPDE3, PDE4) |
| 主な作用 |
代謝促進・心拍上昇・気管拡張・脂肪分解 |
| 主な関連薬 |
PDE3阻害薬(ミルリノン、シロスタゾール) |
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