PDE5とは
PDE5(ホスホジエステラーゼ5型) は、体内の細胞内シグナル伝達に関与する酵素の一種で、
特に 血管平滑筋(血管の筋肉) に多く存在します。
主な役割は、cGMP(サイクリックGMP) という物質を分解することです。
PDE5とcGMPの関係
正常な勃起の仕組み:
- 性的刺激により、陰茎海綿体の神経から NO(一酸化窒素) が放出される。
- NOは酵素(グアニル酸シクラーゼ)を活性化し、cGMP の産生を促す。
- cGMPは平滑筋を弛緩させ、血流が増えて海綿体が膨張(=勃起)する。
PDE5の作用:
- PDE5はこの cGMPを分解 する酵素。
- つまり、PDE5が働くとcGMPが減少 → 平滑筋が再び収縮 → 勃起が収まる。
PDE5阻害薬(PDE5 inhibitor)の仕組み
PDE5の働きをブロックして、cGMPの分解を防ぐ 薬です。
その結果、平滑筋の弛緩が長く維持され、勃起を助ける 作用があります。
主なPDE5阻害薬:
| 一般名 | 商品名 | 作用時間 | 特徴 |
|---|---|---|---|
| シルデナフィル | バイアグラ | 約4時間 | 世界初のPDE5阻害薬 |
| タダラフィル | シアリス | 約36時間 | 「週末の薬」とも呼ばれる |
| バルデナフィル | レビトラ | 約8〜10時間 | 速効性がある |
| アバナフィル | ステンドラ | 約6時間 | 副作用が少なめ(日本国内未承認) |
PDE5の分布とその他の作用
PDE5は陰茎海綿体だけでなく、次のような部位にも存在します:
- 肺血管平滑筋 → 肺高血圧症の治療にも使用
(例:シルデナフィル(レバチオ)、タダラフィル(アドシルカ)) - 血管内皮細胞 → 血流調節や血圧調整に関与
副作用・注意点
PDE5阻害薬は全身の血管拡張作用を持つため、
以下の副作用が起こることがあります。
| 主な副作用 | 原因 |
|---|---|
| 頭痛、ほてり | 血管拡張 |
| 鼻づまり | 粘膜の血管拡張 |
| 視覚異常(青みがかる) | PDE6への弱い作用(シルデナフィルで多い) |
| 血圧低下 | 他の降圧薬・硝酸薬との併用注意 |
まとめ
| 要素 | 内容 |
|---|---|
| 酵素名 | PDE5(ホスホジエステラーゼ5型) |
| 主な役割 | cGMPの分解(勃起の抑制) |
| 阻害薬の目的 | cGMPを保持し、勃起を維持 |
| 関連疾患 | 勃起障害(ED)、肺高血圧症 |
| 注意点 | 硝酸薬併用禁忌、血圧低下リスクあり |


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